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メモリ512MB以上で起動可能なOS

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Linux/BSD/PC-UNIXを選別してみる

仮想マシンで動くOS

メモリ512MB以上で起動可能なOS

 この内容は、無料で使えてインストールも設定も簡単で手持ちのPCの中に擬似的なパソコンをいくつも作れてしまう各種仮想化ソフトウェアを使ってMS-DOS/FreeDOS/Windwos/PC-UNIX/BSD/Linux...etc.といった各種OSについてRAMベースでどの程度あれば起動するのかに着目し、検証してみた結果です。

 尚、当然のことながら、追加含むアプリケーションが必要とするシステム要件、もし、物理マシンへの導入にあたって参考にする場合は、仮想化ソフトウェア及び仮想マシンや当サイト検証環境との何らかの差が生じる可能性については、別途考慮が必要です。

 例えば、ここで示すRAM容量は、各仮想化ソフトウェアの仮想マシンに割り当てた値ですが、それぞれある容量以上のRAM値を指定した場合は、ゲストOS起動時にVirtualBox 4.2.12では、約10MB、QEMU/QtEmu 1.0.5では、約14MB、VMware Player 3.1.6では、約17MBほど仮想マシンの指定RAM量からメモリを消費するようです。

 ちなみにCUI(Command line based User Interface)は、shellベースのコマンドライン入力、GUI(Graphical User Interface)は、グラフィカルなウィンドウマネージャを含む、いわゆるデスクトップ環境を指します。

 検証の詳細については、各OSのリンク先を参照下さい。

 まるで軽量を目指す場合は、512MB未満、そうでない場合、特にグラフィカル環境ともなると、高機能性だけでなく、ラグジュアリー感を盛り込むものも多い傾向にあり、どうせならとでもいうかのように、Linux/PC-UNIX/BSDでも少なくとも1GB前後のメモリを要するということも珍しくなくなってきました。

メモリ512MB

 RAM512MBでは、CLIベースのRHEL/Red Hat Enterprise Linuxとの互換を目指すCentOS 6.4、OpenSolarisの後継とされるOpenIndiana 151a8 Serverがなんとか動作する状況です。

 Windows XPは、32ビットで最小128MBでも軽快ですが、アプリケーションソフトやセキュリティソフトを入れると往々にして512MB前後は必要となるでしょう。

 *BSD/PC-UNIX/Linuxについては、メモリ512MB未満のディストロ以外、該当するものは見当たりませんでした。

メモリ1GB〜

 RAM1GBあれば、先のCLIベースのCentOS 6.4、OpenIndiana 151a8 Serverも十分でしょう。

 Windows Vista 32ビットで最小メモリ512MB、推奨1GB以上とあり、現に筆者もデュアルコアCPU/RAM1GBでWindows Vista 32ビットを快適に使っていますが、アプリケーションソフトウェアを考えると1GBは欲しいところでしょう。

 *BSD/PC-UNIX/Linuxの中では、メモリ1GBの場合、GUIだとVine Linux 6.1くらいでしょうか。

 とは言え、Vine Linux 6.1については、256MBでは、(おそらくセーフモードの)CUI起動、おおむね348MB以上でもCUI起動しますが、[startx]やオートログインでGNOMEを利用するには、512MBでももっさり感が否めず、限りなく1GBに近い、なんならそれ以上のメモリ量があった方がよさそうです。

メモリ2GB〜

 Windows Vista 64ビット、Windows 7/8/8.1については、32ビット・64ビットともに最小1GB、推奨2GB以上とあり、1GBでもいけそうですが、これもアプリケーションソフトウェアを考慮するとおそらく32ビットで最小2GB、最大4GB(制約上、実質3.数GB)、64ビットなら最小4GB以上は欲しいところでしょうし、マシンスペックの進化の時系列的背景とこれらWindowsの登場時期からいっても実質こうしたスペックが一般的でしょう。

 *BSD/PC-UNIX/Linuxの中では、メモリ2GBの場合、GUIだと1GB弱でも多分にもっさり感があったFedora 18、OpenIndiana 151a8、OpenSUSE 12.3、FreeBSD 8.2-RELEASEとKDE 4.5.5によるデスクトップ環境版PC-BSD 8.2、ubuntuベースでMacintoshのデスクトップを模したPearOS 8あたりが該当するでしょう。

 諸事情からHDD換装、ホストをVistaからFedoraへ、物理マシンのRAMを1GBから2GBに微妙に増強、OSをVistaからFedoraに変更したあと試したLinux Mintは、システム要件上は、多少余裕を見ているにしてもRAM2GBとあり、982MB(仮想マシンのメモリ設定のスライダが止まった任意の位置)で試してみたところ、起動後、しばらく待てば、ちょっともっさり、もう少し待つと割と実用的に使用できますが、やはり、もう少し、メモリに余裕があった方がよいという感じです。

 Ubuntuは、デスクトップ環境Unityが標準の14.04 LTS及びUbuntuベースのPearOSを例によって任意のRAM980MB程度で検証しましたが、インストール・HDDからの起動、全てにおいて超スローモーション状態、システム要件上は、64ビットマシンにおいてRAMが2GB以下なら32ビット版を・・・と謳っており、RAMは1.5GB、仮想マシンの負荷を考慮すると2GBは必要そうな印象です。

 尚、Unityにおいては、GPU性能も相応に要求されるようで後に性能不足の場合CPUで補う仕様となった模様、これにより、当サイトにおける仮想マシン環境含め、こうしたスペック不足のマシンでは、極端に挙動が遅くなるとのことなので相応のGPUを持つかクアッドコア以上のマルチコアCPU、これら双方を満たせば。。。そうしたスペックでは、RAMも8GBというより、16GB、32GB。。。などでしょうから軽快に動作することでしょう。

 openSUSEは、インストール、HDDからの起動、メニュー操作あたりまでは、980MBの程度のRAMでもそこそこ軽快ですが、アプリを動かすとなると1.5GB~2GBは必要となりそうです。

 OpenIndianaについては、RAMもさることながら、CPUにデュアルコア、または、ハイパースレッドを要求するようです。

 Fedoraは、先のとおり、デュアルコアRAM2GBの物理マシンにFedora 20 KDE Spinを入れてみたところ、Xfce、LXDEはもちろん、KDEでも充分動作しますが、1GBだとLXDE(Openboxベース)やOpenbox単体でないと厳しいかもしれません。

[追記1]

 ちなみに筆者は、熟慮の結果、OS入れ替えの必要があったノートPCであるRAM512MBのdynabookRAM512MBのFMVの2台については、128MBのe-oneと同じくCLIベースで標準システムが最も軽量に動作したNetBSDをインストール後、日本語対応し、JWM(dynabookは後にXfce4)をデスクトップとしました。

 シングルコアCPUはもちろん、仮にデュアルコアでもRAM1GB程度までは、Windows以外の選択肢として*BSD/PC-UNIX/Linuxを考えるのであれば、利用するソフトウェア群にその分マシンリソースを割り振ることができるという意味においてもCLIベースで「標準システムが最も軽量に動作するOS」で日本語環境とデスクトップ環境を構築するのが最良の選択のような気がします。

 後日、他のNetBSDマシンとの兼ね合いでメモリの制約とは無関係に先のHDD破損により増強、Fedoraを入れていたHP Pavilion(CPU:Intel Core 2 1.8GHz/RAM2GB/HDD:2TB)にもNetBSDをインストール、マルチブート構成とし、以後、どちらかと言えば、GNOME/KDE/Xfce/(未だ非公式なlight-desktop)LXDEなどを切り替えられるようにしてあるこのNetBSDをメインで使っています。

 *BSD/UNIX/Linuxで詳細に言及していますが、*BSDの優位性の一部抜粋からしても*BSD/UNIX/Linux/Windows/Mac OS Xの中で現役でプロジェクトが活発、カーネルが限定されることもなく、Busyboxという特殊な手法を使うことなく、定期的に更新されるオリジナルのカーネルとユーザーランドはコンパクトで、標準的なシステムが少ないメモリで動作するという点だけでも、ましてシングルコアCPU、RAM1GB未満などハードウェアスペックが限られた環境なら尚の事、NetBSDかOpenBSD、次いでFreeBSDといった*BSDが、スペックに制約があるなら、仮にデスクトップ用途でもCLI上にウィンドウマネージャやデスクトップ環境、日本語環境を導入する必要があるでしょうが、これらの手間はさほどでもないですし、この点は、デスクトップごとのディストロがある場合は別としても、その手順はLinuxでも同様なので、やはり、*BSDがオススメと言えるでしょう。

 もちろん、マシンスペックの制約がない場合には、選択肢にも制約はないわけですが、それでも先のリンク先で言及しているように総合的に見ると、やはり、*BSDが最もオススメ、必要なら別途1台は、時代の流れに追従している、なんならより先進的なLinux、もしくは、WindowsやMac OS X/OS X、もしくは、何れかをデュアルブートやマルチブートにしておくのが最も理想的かつ現実的で賢明ではないかと、この検証を通じて思うに至り、実際にそうしています。

[追記2]

 検証したWindows 10(米国時間の2014/10/01に公開された開発中のWindows Technical Preview版)は、RAM1GBあれば軽快に動作しました(が、当然ながら正式版がどうなるかは不明です)。

[追記3]

 1GB以上や2GB以上。。。などページを増やそうとも思いましたが、代わりに見出しを付けることにした関係で、若干、記事を再構成しました。

  1. OS選定の目安
  2. いくらでも練習できる環境もある-仮想化ソフトウェア
  3. Linux/BSD/PC-UNIX系OSを常用する場合の注意点
  4. オープンソースOSの背景
  5. Linux/BSD/PC-UNIXの選定方法と前提
  6. RAM容量ごとに利用可能なOS

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