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Linux/BSD/PC-UNIXの選定

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Linux/BSD/PC-UNIXを選別してみる

仮想マシンで動くOS

Linux/BSD/PC-UNIXの選定

 さてそこでLinux/BSD/PC-UNIXOSの内、どれを使うかですが、たくさんあって、どれを選べばいいのか迷いがち。。。

 というわけで、ここでは、前述の仮想化ソフトウェアで仮想マシンを作成、オープンソースのOSをインストールして試した使用感に基づき、いくつかの側面から独自の視点で選別してみようと思います。

前提

 ただ、選定だ目安だと言いつつも、LFS/Linux From Scratch(カーネルを基に一から作るLinux)なら尚の事、そうでなくとも基本的にオープンソースのLinux/BSD/PC-UNIXは、プライベート(個人)でもビジネス(法人)でもサーバ用途でもクライアント用途でもルック&フィールにこだわり抜いた洗練されたデスクトップ用途でも、いかようにもカスタマイズできる点も魅力の1つであり、自由に組み合わせることが可能ですから、そういう点では、不毛な話となってしまいます。

 よってここでは、LFSや変幻自在に組み合わせるという話は除外し、既存のディストリビューションをそのまま使うか、日本語環境対応版でない場合、日本語環境導入含め多少カスタマイズする程度であるものとします。

 クライアントサーバ構成では、サーバOSも考慮することにはなりますが、先と同じ理由でサーバ用途を考える場合も職場やレンタルサーバと同じ、または、同系統のOSを自宅のローカル環境において物理、または、仮想マシンで利用する程度に留めるものとします。

 検証には、VirtualBoxを中心に、一部でQEMU、VMware Playerの3種類の仮想化ソフトウェアを利用しますが、VirtualBoxやVMware PlayerはホストCPUを利用してx86CPUをエミュレート、QEMUはゲスト用にx86CPUを丸ごとエミュレートするという違いがあり、ホスト環境に対してはQEMUの方がオーバーヘッドが大きくなる傾向がある一方、ゲスト検証においては、QEMUの方が、より物理マシン環境に近い結果を得られる可能性があるように思います。

 とは言え、検証用ホスト環境や時間的制約からも全てのOSを双方で検証するのも難儀ですし、ざっと見た限り、CUIベースであってもメモリ16MB以下で動作するLinux/BSD/PC-UNIXはなさそうなので物理マシンに必要となるスペックを想定する場合もシングルコアCPUで且つRAM(メモリ)については、選定の線引きにしても32/64/128/256MBと512MB以上という程度に留めるつもりであることから、各種仮想化ソフトウェアによるゲスト動作要件の多少の違いも検証上は、同じ範囲として吸収されることでしょう。

 当検証では、Windowsからの乗り換え対象を見つけることも含まれるわけですが、Microsoft社の公式システム要件は別としてVirtualBox、VMware Player、QEMUで検証した結果、MS-DOS(代替FreeDOS)が最小メモリ4MBで動作し、デスクトップ環境のWindows95/98/98SEが最小16MBで動作する結果を見るとMS-DOSはLinux/BSD/PC-UNIXとの単純比較できないにせよ、少なくともWindows 95/98/98SEに関しては、当時主流のハードスペック上そうせざるを得なかった時代背景があったにしても、むしろその当時、これを実現した、その技術力たるや驚異的と言わざるを得ません。

 なぜなら、少なくとも今回検証したLinux/BSD/PC-UNIXの中には、メモリ16MBで動作するデスクトップ環境はないからです。(ディスクに占めるシステム容量が10MB前後のものはあります。)

 尤も資本投下で劇的に進歩してきたハードウェアの進化に追従しつつ、オープンソースゆえに収益源やスポンサー収入に恵まれることは稀、有志による開発で専属の有志は、いたとしても稀、各種CPUへの移植という中で基本的には、過去主流だったその時点では低スペックなマシン以外に需要がなく、そうしたマシンの内、現役となると経年劣化含め、どんどん少なくなっていくことなどからしても継続開発するモチベーションを考えれば、今の時代メモリ128MBで動くグラフィカル環境は、軽量、64MBで、まして32MBで動作するグラフィカル環境のOSが1つでも存在するなら、それだけで御の字と言う状況も致し方なしと言えるでしょう。

  1. OS選定の目安
  2. いくらでも練習できる環境もある-仮想化ソフトウェア
  3. Linux/BSD/PC-UNIX系OSを常用する場合の注意点
  4. オープンソースOSの背景
  5. Linux/BSD/PC-UNIXの選定方法と前提
  6. RAM容量ごとに利用可能なOS

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