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システム開発

オープンソースOSの背景

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Linux/BSD/PC-UNIXを選別してみる

仮想マシンで動くOS

オープンソースOSの背景

 オープンソースOSには、DOS系やPC-UNIX/BSD系、Linuxなどがあります。

 DOS系のオープンソースには、FreeDOSなどがあり、FreeDOSで利用可能なGUIのファイルマネージャや非公式とされるものの同プロジェクト内で作られているXFDOSというシングルタスク、2.0時点でも超アルファ版的な空気漂わせながらも多機能なデスクトップ環境もあったりしますが、DOS機能の完成度は極めて高く実用的で実際に幅広く利用されている一方、GUI部分については、まだまだ実用的とは言えませんし、そもそも実験的なものであって本格的に流通するか否かも不透明で未知数です。

 ちなみにWindowsとのドライバやAPI互換を目指すWindowsライクなグラフィカル環境を前提としたReactOSもオープンソースとして開発されていますし、無償と言う意味では、FirefoxOSやGoogle ChromeOSといったブラウザOSなどもありますが、まだアルファ版であるReactOSやブラウザOSについては、さておきます。

 Windowsとの互換と言う意味では、ファイルシステムNTFSをはじめ、特許を含む企業秘密としてベールに包まれている部分がある為にReactOSもアルファ版に留まっているのでしょうし、特許切れなどでその辺りが明らかになればReactOSに限らず、Linux/BSD/PC-UNIXでもWindowsとの互換性を備えることもできるようになる(する)でしょうし、今に続くNT系の元祖Windows NT(32bit/64bit)のNTFSの読み書きについては、既にNtfsprogs、ntfs-3gによって読み書き可能となっており、後にNtfsprogsは、ntfs-3gに合流、ntfs-3gが存続するオープンソースプロジェクトとして開発が進められています。

 ただ、WindowsもNTFSに代わるファイルシステムを開発中といわれているので同じようなことが今後も起こり得ます。

 BSD系には、FreeBSD、NetBSD、OpenBSDの他、FreeBSD 4から派生したDragonFly BSD(DragonFlyBSD)、FreeBSDのLiveCD版Frenzy、FreeSBIE、FreeBSDのデスクトップ版にPC-BSDなどがあります。

 4.3BSD Net/2をベースとしたOSとして386BSDがリリースされ、有志からも多数のパッチが寄せられたものの、開発が滞っていることに業を煮やし、4.3BSD Net/2ベースとしてFreeBSDが、386BSDから派生、新たなプロジェクトとしてNetBSDが、NetBSDからセキュリティ強化を目指してOpenBSDが派生、4.3BSD Net/2にUNIXの特許に抵触する部分が見つかるとFreeBSDの開発が一時頓挫、後にこれに抵触しないとされる4.4BSD Liteベースで開発が再開されました。

 また、DragonFly BSDは、FreeBSD 5の開発に当たり、マルチコア対応の技術的見解の相違からFreeBSD 4をベースとして派生した別プロジェクトであるといわれています。

 PC-UNIX系は、Solarisのオープンソース版OpenSolaris、そのOpenSolarisの存続が危ぶまれたことから派生したOpenIndianaはOpenSolarisの後継と目され、一方、同様にOpenSolarisから派生したillumosがあり、両者が合流、OpenIndianaは、ゆくゆくはillumosをベースとする予定であり、そのillumosから派生したillumos系OSもあります。

 また、BSDをベースとして開発されたMac OS Xは、v10.5 LeopardをはじめとしてUNIX認定され、(実質Macintosh保有ユーザー向けにではありますが、)v10.9 Mavericksは、無償になりました。

 Linuxは、「主なものだけでも」というのも、はばかられるほどですが、RedHat系、Debian系、Slackware系など派生を含めると相当数のディストリビューションがあり、ほぼ全てのディストリビューションがLinuxカーネルとGNUツールを組み合わせることでOS機能を成し、そのGNUもGNU HurdというOSを開発中、栄枯盛衰もあり、今尚、ディストリビューションは増減を繰り返しています。

 Debianなど一部では、LinuxカーネルだけでなくFreeBSDカーネルやNetBSDの機能の一部を取り入れるなど連携も試みており、LinuxとBSDの境界は、曖昧になりつつあります。

  1. OS選定の目安
  2. いくらでも練習できる環境もある-仮想化ソフトウェア
  3. Linux/BSD/PC-UNIX系OSを常用する場合の注意点
  4. オープンソースOSの背景
  5. Linux/BSD/PC-UNIXの選定方法と前提
  6. RAM容量ごとに利用可能なOS

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