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HTML5誕生の時代背景

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HTML5ってどうして生まれたの?

HTML5誕生の時代背景

HTML5誕生の時代背景

 HTML5の登場やニーズ、必要性は、それまでの変遷なくして理解しづらい部分も多いでしょう。

ブラウザの変遷

 まず、画像とテキストを一緒に表示することができる現代のブラウザのスタイルの基は1993年に開発された"Mosaic"(モザイク)で1995年インターネットの一般公開という時代の流れも手伝ってMosaicを元にNetscape Navigator(NN)やInternet Explorer(IE)が生まれるに至りました。

 NN、IEというブラウザ2強時代の開発競争に伴って性能が向上すると、他方、企業用途のクライアントサーバシステム用のクライアントにブラウザを利用しようという発想が生まれます。

 当然、当時からブラウザやそのバージョンによる挙動の違いなどはあったわけですが、デザイン関連など一部の業種を除き、PCを事務機器として使っていた企業においては当時圧倒的なシェアを占めたWindowsをOSとするクライアントが大半であり、プリインストールされているブラウザはIEという状況だった為、ブラウザの統一自体は、それほど難しくないという背景もありました。

 著しく性能向上した昨今と比べれば低性能だった当時のブラウザは、クライアントとしては多少物足りなさはあるものの、当時の通信環境やCPU処理能力、メモリ容量等々諸々のハードや環境のスペックにとっては、むしろ、そのくらいシンプルな方が向いていましたし、それを承知で先進性と有用性をアピールしたJava Appletを持て余していたことなどからもブラウザにそれ以上多くを求める必要はないという発想も少なからずありましたが、通信環境やPCスペックの向上と流通量増大に伴う低価格化や一方でプライベートユースのPC保有者やインターネット利用者も急増するに伴いブラウザは法人・団体用途だけではなく不特定多数の個人向けサービスとしても進化し始めます。

HTML5と環境

 2000年代中頃には、PCにおける通信環境においてもADSLをはじめとする定額高速通信であるブロードバンド環境もかなり浸透し、PC自体も比較的安価で高スペックのものが増え、タブレットPCも登場、モバイルにおける通信環境も定額制や高速化など通信環境の整備、PCとほぼ同様のネット環境の提供などにより初期には淘汰の危機すらあったスマートフォンに人気が集まり、テキストベースでないWebアプリも十分に楽しめる環境になりました。

 Java Applet、JavaScriptXMLを利用し、非同期通信を行うことによって動的な環境を作り出すAjaxという技術やJavaFXなど視覚に訴えるRIA/Rich Internet Applicationを実用化する技術も誕生し、YouTubeやニコニコ動画やオーディオプレイヤーなどで映画や音楽に留まらないマルチメディアを楽しむ人々の増加もHTML5を後押ししています。

HTML4.01までのHTML

 HTML2.0まではCERN、後にIETFによる仕様RFC/Request for Comments、W3C設立後、標準化作業が引き継がれ、理想高く策定し始めたHTML3.0から現実路線のHTML3.2へ転換し、HTML3.2からはW3Cによって仕様化され、1998年にHTML4.0、1999年にHTML4.01が勧告(以後HTML4.01を基準にHTML4)となりました。

 IETFからW3Cが仕様を引き継いだ当初策定し、勧告に至らなかったHTML3.0には数学・科学技術計算といったMath系の要素などが含まれる予定だったもののHTML3.0自体が破棄され、ブラウザベンダ各社も対応を見送ったままHTML4.01に至った経緯がありますが、HTML5では、【HTML】doctype宣言/【XHTML】doctype宣言は極めてシンプルになり、これまで異なる名前空間として存在した為、同時に利用できなかった数学記号などを含む学術計算マークアップ言語であるMathML 3もHTML5仕様の一部となったことにより、そのまま利用することができるようにすべく策定されています。

 一方、HTMLとXMLアプリケーションとの連携を図るべくXHTML1(XHTML 1.0/XHTML 1.1)の策定・勧告、そこからスリップアウトした感のあるXHTML2.0は方向性に疑問符が付き策定中に仕様化中止となりました。

HTML5の方向性

 そうした中、HTML4/XHTML1まではHTMLは構造化、XHTMLはXMLアプリケーション用データという側面が強く、何れもCSSという有用な装飾技術はあるものの、インタラクティブ、マルチメディアといった側面はサードパーティ製品に委ねていた感がありましたが、時の経過と共に著しい技術の進歩と環境の変化によりマルチメディアに対応するHTML5はもはや現実的な仕様となっています。

 HTML5は、その当初からCSSやAjax含むJavaScriptとの連携をも含め、DHTMLという域を超えてオーディオ技術や動画技術など動きのある動的なRIA環境を標準化すべく策定されています。

 HTML5(とCSS3)における大きな魅力の1つは、それまでの単なる構造化と修飾に留まらず、HTML5(とCSS3)に対応するブラウザなら、その標準機能において様々なウェブアプリケーションの開発と実装が可能であることです。

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